科研講演会『環境変動に備えた石造文化財の調査・保存法の現状と未来』開催の案内
下記講演会開催の案内が届いております。
「科研講演会『環境変動に備えた石造文化財の調査・保存法の現状と未来』」
開催趣旨
近年の地球温暖化にともなう気候変動により、集中豪雨や大型台風が頻繁に発生して大規模災害を引き起こし、文化財の保全環境にも変化をもたらしています。文化財の中でも石造文化財の劣化は大きな問題となってきている。また、近世城郭の石垣や古墳の石室や葺石は豪雨による崩壊の危険性が高まってきています。
特に、近世城郭においては、2018年の西日本豪雨により丸亀城石垣が大規模に崩壊した事例は大きな衝撃であり、2024年7月の豪雨により松山城、津山城跡、鳥取城跡、彦根城で相次いで豪雨災害が発生しました。危険個所を早期に発見してモニタリング(監視)を行い、その地盤構造を解明して、適切な防災対応を行うことが重要となってきています。
研究チームでは、崩壊危険個所を予測する調査方法とモニタリング法の開発を目指して、竹田城跡の花屋敷曲輪をフィールドとして、石垣表面の3D計測やドローンIR計測での経時観測や地下構造の実体把握のために各種の地中探査や地盤ボーリング調査を進めてきました。そして、その研究結果を昨年7月に朝来市で報告いたしました。
本講演会では、石造文化財の保全に関して、まずは近世城郭での状態調査の事例と豪雨災害の復興事例を、次に石室墳や石棺、石橋、摩崖仏、石塔等の様々な石造文化財の調査や保存修復に関する調査事例を紹介いたします。みなさまに“文化財防災”の重要性を理解していただき、今後の防災対策や保存活用法について一緒に考えてみたいと思います。